10月末、上高地に行った目的の一つがカラマツを目に焼き付けることでした。私は勝手にメタセコイアとカラマツが似ていると思い込んでいました。葉っぱが全然違いますし枝のつき方が違いました。
上高地:小梨平のカラマツ林
カラマツ林は儚げですね。大好きな樹木です。
「落葉松」 北原白秋
からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き。
からまつはさびしかりけり。
たびゆくはさびしかりけり。
からまつの林を出でて、
からまつの林に入りぬ。
からまつの林に入りて、
また細く道はつづけり。
からまつの林の奥も
わが通る道はありけり。
霧雨のかかる道なり。
山風のかよふ道なり。
からまつの林の道は
われのみか、ひともかよひぬ。
ほそぼそと通う道なり。
さびさびといそぐ道なり。
からまつの林を過ぎて、
ゆゑしらず歩みひそめつ。
からまつはさびしかりけり、
からまつとささやきにけり
からまつの林を出でて、
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
からまつのまたそのうへに。
からまつの林の雨は
さびしけどいよよしづけし。
かんこ鳥鳴けるのみなる。
からまつの濡るるのみなる。
世の中よ、あはれなりけり。
常なけどうれしかりけり。
山川に山がはの音、
からまつにからまつのかぜ。